銀行預金金利を予測するために覚えておきたい3つの指標

2013年8月4日

この記事の所要時間: 58

こんにちは!当ブログ管理人のますかっと(@hayato_k0315)です!

最近ニュースを見ていると「物価上昇率2%を目標にする!」なんて放送をよく見かけます。今の日本がデフレで不景気なので景気を回復させよう!つまり金融緩和を進めて物価を上昇させデフレを脱却しようというものです。

金融緩和を進めると理論上多くのお金が市中に回るようになるので(市中銀行から民間企業にお金が回れば)、お金だらけになりお金の価値が下がり、物価は上昇するわけです(物価が上昇すると円安にもなりやすいのでさらにインフレが加速する)。

物価が上昇すると金利も上昇します。モノの値段が上がる前に早く買おうとするので、お金を借りたいという需要も高くなるわけです。

今は金利は過去最低水準のレベルですが、インフレになるにしたがって金利が上昇するかもしれません。そうなると今10年物の定期預金などをしてしまうと損してしまう可能性もあります。もちろん必ず金利が上昇するとは限らないんですけどね。

そこで今回は銀行の預金金利の変動をある程度予測するための指標をご紹介します。住宅ローンを考えている方にも参考になると思います。

ちなみに今の銀行の預金金利は普通預金で0.02%くらいです。

ご参考 ⇒ 三菱東京UFJ銀行(8306)

政策金利(無担保コール翌日物金利)

政策金利は中央銀行がコントロールしている金利です。日本であれば日銀が金融政策決定会合でこの金利の誘導目標を決めています。

最新の金利は0~0.1%で他国と比べてとても低いです。

政策金利は中央銀行がコントロールしている金利なのはご理解いただけたかと思いますが、分かりにくいのは「無担保コール翌日物金利(以下翌日物)」です。

翌日物は銀行間でお金の貸し借りをするのに使用する金利で、一日だけお金の貸し借りをするときに使われます。

銀行はお金を効率的に運用するプロなので、お金があまれば他行に貸して運用し、足りなければ他行から調達します。これを毎日のように行なっているわけです。

また、お金を借りるときに、特に不動産などの担保がいらないので無担保という名前がついています。

この翌日物金利を0%から0.1%前後に収まるように日銀が資金をコントロールしているわけです。お金が大量にあれば借りやすくなるので、金利が下がります。逆に減らせば借りにくくなるので、金利が上昇します。こうして上手く0.1%前後に収まるようにしています。

ただ、徐々に資金需要が高まったり、日銀が誘導目標を上げてくるだろうという予測が高まれば、0.1%を超えてくることも出てきます。そしてこれに釣られて他の短期金利や長期金利が高まり銀行の預金金利も高くなる可能性が出てくるわけです。

以上から、翌日物金利の推移を観察すれば、ある程度今後の預金金利の見通しも立てやすくなります。ただそこまで大きく動く金利ではないので、たまに気が向いたらチェック程度でいいと思います(1ヶ月に一回でもいいくらいです)。

無担保コール翌日物金利のチャート ⇒ ブルーンバーグ

短期金利(Libor)

短期金融市場という1年以下の取引が行われるところで取引される金利で有名なのはLibor(ライボー)です。Liborとはロンドン市場で行われている、銀行同士の資金取引における平均貸出金利です(短期金利の中でもっとも代表的な指標です)。

Liborは金利スワップなどの他のデリバティブ取引の基準になっていて、FXをやっている人にとってもかなり重要な指標です。

FXではよくドルLiborが注目されて、ドルLiborが上がるとドルの金利が上がると予想されたり、逆にリーマン・ショックのように市場が危機的な状況になっても上がります(貿易決済に使うドル資金の確保のため)。いずれにしてもドルが上がりやすくなります。

Liborを観察することによって、1年未満の定期預金や普通預金などの金利がどのようになるのか予測できます。円Liborが上昇傾向にあれば預金金利も上がっていくかもなどの使い方ができるわけです。

Libor一覧 ⇒ ForexPros

長期金利(国債利回り)

長期金融市場という1年以上の取引が行われるところで取引される金利で有名なのは国債の利回りです。国債などの債券も債券市場で取引されていて、日々価格や利回りが変化します。

この利回りが上がれば全体の金利も上がっていくと思われますので、預金金利も上がる可能性が高くなります。特に1年以上の定期預金金利を予測するのには役に立ちます。

私の中ではLiborよりもこちらを重視しています。理由は単純で、10年国債の利回りは新聞にも載っているため、みんなが注目しているからです。やっぱりみんなに注目される指標の影響力は強いです。また、株や為替にも影響力が強いので頻繁にチェックします(利回りが上がれば株が上昇するだろうなと予測したりします)。

銀行預金金利の予想にも使えるのでこちらは今後の金利が気になったらチェックすることをお勧めします。

国債利回り ⇒ ブルーンバーグ

米10年国債利回り ⇒ 新リアルタイム世界の株価

まとめ

以上、将来の銀行預金金利を予測するための3つの指標をご紹介しましたが、どうしてもチェックが面倒なときは、イールドカーブを見ることをおすすめします。

これは翌日物から長期国債までの利回り(金利)をグラフ化したものです。通常は年数が長いものほど長期金利が上がるのでグラフが右上がりになるのですが、右下がりのグラフになったら金利が下がる可能性が高いと予想できるのでとても参考になります。

これらの指標を覚えてぜひ金利の予測にお役立てください。

参考 ⇒ イールドカーブ

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