【マーケット】中央銀行の量的緩和・引締は蛇口の水に例えると簡単に理解できますよ
こんばんは!当サイト「田舎のSE屋さん」の管理人です。ご訪問ありがとうございます。
昨日のFOMC議事録で、近々アメリカの量的緩和を縮小する可能性が示唆されましたね。そのため再びドル高・新興国通貨安になっています。
最初に緩和縮小が示唆されたのは5月22日のバーナンキFRB議長の発言からでしたが・・・
その翌日の日経平均は1000円以上下げました。緩和縮小を示唆しただけで大暴落です(^_^;)
⇒【マーケット】日経平均株価今年2番目の下げ幅!一日で843円安!
凄まじい影響力ですね。マーケットには何時でも何らかのメインテーマがありますが、今はまさにアメリカの量的緩和がメインなんですね。
「いつ緩和縮小が始まるのか?」、「どのくらいの規模で縮小するのか?」が注目されているわけです。
主題からそれてしまいましたが、このニュースで頻繁に耳にする量的緩和について簡単に理解する方法をご紹介します。
1.量的緩和・引締は蛇口に例えて理解
量的緩和を蛇口(水道)に例えるのはニュースでもよく行われていますよね。
簡単にご説明すると下記のイメージです。
蛇口=中央銀行(日銀など)
水=お金
緩和=蛇口を緩める
引締=蛇口を締める
水道の蛇口を緩めれば水が大量に出ます。この水がまさにお金です。つまり量的緩和とは世の中にお金を溢れさせる(お金を中央銀行から放出する)ことなんですね。
逆に蛇口を締めれば水が出なくなります。お金が流れてこなくなるわけです。つまり量的引締とはお金を世の中から吸い上げる(お金を中央銀行に戻す)ことなのです。
そして、今話題になっている量的緩和の縮小とは水道から出る水の量を減らすという政策なわけです。
では、続いては量的緩和、量的緩和縮小の影響について見ていきます。
2.量的緩和と量的緩和縮小の影響
2008年のリーマン・ショックの後から今に至るまで、アメリカは量的緩和(QE)を実施してきました。つまり蛇口を緩めてお金(米ドル)をジャブジャブ放出していたわけです。
これでどんな影響が出たのか?恐らく皆さんご存知の通り超円高です。
・・・
細かいことを言うと実はこれは違うんですよね。
正確には
超米ドル安
です。
超円高は結果的に引き起こされただけで、実は2008年から2012年までは超米ドル安時代だったんですね。
アメリカの量的緩和で中央銀行が米ドルを放出しまくっていたため(約3兆ドルを放出)、世界中が米ドルで溢れました。そのため米ドルの価値が下がって米ドル安になったわけです。
そして、溢れまくった米ドルが他の通貨に交換されていったのです。その交換対象が「日本円」や「新興国通貨」だったわけです(本来ユーロにも流れるはずですがユーロ圏も不調だったためユーロ安)。
実際にドル円が76円のときでも豪(オーストラリア)ドルは80円以上でした。リーマン・ショック時には1豪ドルは50円台だったのに随分と対円で上げていますね。超円高と騒いでいた時に実はそれ以上に新興国通貨高が進んでいたのです。
ここまでは外国為替のお話です。当然豪ドルを手に入れた人はそのまま持つわけもなく、株式や商品などに投資します。そのため新興国の株が軒並み記録的な高値になったり、「金」が上昇したりしたわけです。
これが量的緩和の影響です。
流れを整理すると
アメリカが量的緩和→米ドルがジャブジャブ→円や新興国通貨に交換→株や金、債券に投資
マーケット的な例えをすると
アメリカが量的緩和→米ドル安→円高や新興国通貨高→株高、金高、債券高
となります。
そして現在、長らく続いた量的緩和を「縮小するぞ!」というのが今のアメリカの動きです。
今度はジャブジャブになった米ドルを吸い上げるわけです。今まで金や株などに流れたていたお金が逆流するわけですね。
つまり
アメリカが量的緩和縮小(引締)→金や株から引き上げ→円や新興国通貨から米ドルに交換→米ドル高
マーケット的な例えをすると
アメリカが量的緩和縮小(引締)→金安、株安、債券安→円安、新興国通貨安→米ドル高
となります。
以上が量的緩和と緩和縮小の影響です。
今問題になっているのは、急激に緩和縮小をすると新興国の経済に大打撃を与えてしまうので、アメリカは慎重に緩和縮小の規模やタイミングを見計らうべきだというものです。
もう既にかなりの規模で新興国に打撃を与えていますけどね(^_^;)
インド、インドネシア、ブラジル、トルコ、南アフリカなどは壊滅的なダメージを受けています。
来月、緩和縮小が始まるとの噂もあるので今後の世界経済の動きには要注意ですね。
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